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OBネット便り

産業人OBネット便り(第24号)

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2025年9月30日発行(第24号)

副理事長御挨拶 「2025年上期を終えて」

特定非営利活動法人産業人OBネット

副理事長兼事務局長 服部雅典

産業人OBネット団体会員の皆様には、常日頃大変お世話になっており、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

今の日本経済展望について、中小企業庁の分析では、円安・物価高の継続、「金利のある世界」の到来による生産・投資コストの増、構造的な人手不足など、中小企業の事業者が直面する状況は依然として厳しい状況です。

一方で、地域経済・日本経済全体の成長の観点から、雇用の7割を占める中小企業事業者への期待は大きく、激変する環境において、経営課題を乗り越え成長を遂げる為には、自社の現状を把握して適切な対策を打つ経営力が求められています。

こうした中で、物価、金利、人件費の上昇と、人手不足という状況を踏まえて、積極的な設備投資、デジタル化と、適切な価格設定・価格転嫁の推進により、付加価値や労働生産性を高める経営に転換していく事が今求められています。

新たな時代に挑む中小企業がこれらの課題を乗り越えて、成長を遂げるに当たっては、経営者の企業成長への意欲、経営計画の策定・実行、差別化や市場環境を意識した適切な価格設定等の戦略の策定、経営理念や業績等の共有を重視した開かれた経営や従業員を大切にする人材経営の観点から分析を行い、経営力の向上が業績向上や人材確保に向けて重要です。

その上で、企業が成長を遂げていくには、成長の壁の打破が必要であり、経営者に無いスキルを持つ補完型人材の確保や、経営者の職務権限分散による一人経営体制の克服等が重要であり、拡大する組織を経営者と共に支える経営人材やDX人材の確保が重要と考えられます。

企業を取り巻くこの様な環境下において、「産業人OBネット」と致しましては、出来る限り企業経営者の皆様に寄り添った支援活動をさせて頂く為、最新情報を収集し提供させて頂くと共に、企業の業種・業態に合った専門的な知見・経験・技術力を持った70名のアドバイザーにより、企業経営者の皆様の経営課題・要望に対応し、解決と成長への支援をさせて頂く所存です。

OBネットの上半期の行事と今後のイベント等の企画につきましては、

【上 期】

(1)5月14日に第19回の総会を開催。アメリカトランプ政権による「相互関税」の影響から国内の産業も不安定で、中小企業に与える影響は厳しい状況が続いております。

当法人を取り巻く環境も更に厳しく変化する事が予測され、今年も11項目の事業計画を策定し、各課題毎のアクションプランを作成し改善・改革を進めております。

(2)【国際フロンティア産業メッセ2025】につきましては13年間連続して、出展企業のマッチング支援活動を受託して居り、今年も9名のアドバイザーにより、9月4日&5日の開催当日に193件のマッチングを実施し、閉会後も72件の継続支援を行っています。

(3)【国際フロンティア産業メッセ2025】では、OBネットのブースも出展し、無料の「よろず相談窓口」を設け、8名のアドバイザーによる受付対応を行い、2日間で約40名強の来訪を頂きました。

【下 期】

(1)下期のイベントと致しまして11月11日(火)に【フォーラム】を予定し「人手不足」社会への対応をテーマに、協働ロボットの実践事例や、経営改善効果への講演を企画しております。

(2)来年2月には【プレゼン会】として、団体会員様の新規事業の紹介、経営課題の解決等の事例等、プレゼン頂く予定をしております。

下期に向けて団体会員の皆様には、産業人OBネットは窓口担当者の訪問、並びに広報部からは最新情報の提供をさせて頂くと共に、企業様に潜在する課題の解決に向けた、きめ細かな支援活動と協力をさせて頂きますので、宜しくお願い申し上げます。

産業人OBネットの会員数

会員数は以下の通り(2025年9月1日現在)

  • 個人会員(正会員、賛助会員、アドバイザー)91名
  • 団体会員(特定会員、賛助会員)56社・団体

(支援専門分野の内容)
①経営企画・戦略立案(48名)、②海外展開・国際化支援(26名)、➂情報化・IT活用(19名)、④販売・マーケチィング(37名)、⑤技術・製品開発(47名)、⑥生産管理・生産技術(29名)、⑦物流管理(7名)、⑧経理・財務管理(7名)、⑨人事・労務管理(21名)、➉法律・特許(15名)、⑪その他(21名)

支援活動事業部(上期活動報告)

【上期活動実績】

1.勉強会開催:第34回~第37回。リモート方式で開催。延参加者数39名

(1)今年1月より「補助金」を主要テーマに毎月1回開催。

(2)その間、「省力化(一般型)」や「新事業進出支援」の公募があり紹介。

(3)特に「新事業進出支援」に関しては複雑なため3回シリーズで解説した。

(4)8月、9月は休会。10月より再開予定。

2.補助金申請支援:

(1)補助金申請支援セミナー開催:3月17日リモートで開催。11社参加。

(2)支援:

① セミナー参加企業の1社から支援要請あり、現在継続中。

② 昨年採択された第12回事業再構築補助金の「採択後の支援」を3名の

チームで実施。8月13日交付決定の通知があった。支援継続中。

③ 第2回「省力化(一般型)」の申請支援を実施。8月8日採択された。

3.個別支援案件(サポート部):

(1)上期新規案件は5件。2020年度の案件も含め目下18件の支援案件が稼働中

4.産業メッセ2025(プロジェクト開発企画部):

キックオフ

(1)今年度も昨年同様、効率化を図る

(2)キックオフ会議:6月3日、9名で活動中。

(3)事前研修会:7月15日、11 社が参加。講師・小川雅弘氏。活発な意見交換有り。

(4)メッセ当日(9月4日~5日)で193件マッチング実施。A+B評価71 件(37%)

(5)今年も青森の出展企業のマッチングを支援

5.KGK2025(プロジェクト開発企画部)

(1)今年から委託元名称が(公財)こうべ産業・就労支援団に改称された。

(2)キックオフ会議:5月13日、調査員計13名で活動開始。

(3)調査目標件数:昨年度までの150件から90件に激減。(70社訪問+深堀)

(4)サマリー報告:8月25日に提出。

(5)調査結果:9月8日で90件の調査が完了。現在報告書作成中。

6.出前教育部関連:

(1)企業の社内研修:

① 4月に1社新入社員教育、7月に1社管理職研修を実施。いずれも単発。

② 4月より1社、社内幹部研修を実施中。計6回(4月~11月の予定)

③ 毎月の研修を3社継続中。(1社は今年5月~)

(3)ポリテク案件:「中堅・ベテラン従業員のキャリア形成」4回シリーズ完了。

(4)SSH:

① 今年も神戸高校と覚書を交わし、4名のSAが半年にわたり支援活動中。

② 今年も明石北高校の運営指導委員として兵庫県教育委員会から委嘱。

(5)神戸学院大特別講義:7月11日「会社に入る前に知っておきたいこと(日本の経営文化論)」を講義。(経済学部:3年ゼミ生20名)

【下期活動予定】

1. 勉強会開催:第38回~40回;来年度の年間テーマは思案中。

(1) テーマ: 「補助金」

2. フォーラム: 11月11日(火) 13:30~17:00 (詳細は官理部門の報告参照)

(1) テーマ: 「人手不足」社会への対応

(2) テーマ及び講師選定: KGKの調査でも、毎年中小企業の「人手不足」は深刻な状態が明らかであり、この解決策の提示を命題にした。講師も(公財)こうべ産業・就労支援財団の雇用促進部長と「協働ロボット」の先駆け企業のiCOM技研(株)の山口社長にお願いすることにした。

(3) 「協働ロボット」導入等での財政面での支援体制として、「補助金申請支援」に関するOBネットの支援体制、具体的支援内容を解説することとなった。とりわけ今年は勉強会始め多くのイベントで「補助金」に関してOBネットの活動を紹介してきており、その集大成となる。

3. 個別支援案件(サポート部) :

(1) 上期に引き続き個別支援案件を掘り起こし、丁寧に対応していく。

(2) 上期は具体的な活動に繋がらなかったが、「海外支援チーム」の活動を本格化させたい。具体的にはKGK2025の調査結果からの案件抽出。

4. 産業メッセ2025 (プロジェクト開発企画部) :

(1) フォローアップ活動:マッチングの結果、商談が進展しそうな37件を選定したので、11月末までフォローしていく。

(2) 最終報告: NIROへの最終報告は12月24日を予定している。なお、中間報告は10月17日実施の予定。

5. KGK2025 (プロジェクト推進部) :

(1) 10月8日に(公財) こうべ産業・就労支援財団に中間報告する予定。

(2) 訪問活動はすでに終了しており、中間報告の結果を踏まえ最終報告を作成遅くとも11月上旬には最終報告書を提出の見込み。

6. 出前教育部関連:

(1) 企業の社内研修:

① 上期から継続して毎月研修の3社については引き続き実施。

② 上期から実施している1社の管理者研修は11月で完了する予定。

③ 今後も教育メニューを充実させ、OBネット会員にも協力頂きPRしていく。

(2) ポリテク兵庫「案件:上期は1件受託したが、下期はオファー無し。来年度に向け実施期間登録」内容をアップデイトし申請準備中。

(3) SSH活動:来年2月の最終報告会まで支援継続。

①神戸高校: 11月6日(木)中間発表会、来年2月3日(火)最終発表会

②明石北校:12月17日(水)特別講義、来年2月4日(水)最終発表会

産業メッセでの産業人OBネット活動状況の報告

広報・研修部(国際フロンティア産業メッセ2025での活動)

9月4、5日に開催された【国際フロンティア産業メッセ2025】では、1号館2階にOBネットのブースを出展。例年同様「よろず相談」のぼりの下、シンボルのダブルハートを正面に掲げ、 2日間で計40名強、ご来訪頂いた企業(団体)の方々からご相談を受け、8名の会員で対応させて頂きました。

OBネットブース

9月5日、特設会場Aにおいて、寳田広報部員からの出展者プレゼンテーションを行い、産業人OBネットについて、設立趣旨、活動状況、成果につて説明させて頂きました。そのお陰なのでしょう、新たな入会の相談も受け、明日に繋がる有意義なメッセ出展となりました。

プレゼンテーションの風景

広報・研修部(2025年度下期活動計画)

1.情報交換会

会員への最新情報発信・提供・共有、会員相互の意見交換・懇親を目的として、これまで続いている月次開催のリアルな会議体:情報交換会を継続開催します。

情報は生鮮食品と同様、新鮮さが命であり、またできるだけ多くの人に共通するテーマを取り上げる方針で、団体会員の最新情報、各部門の月次報告、会員からの情報提供、さらに会員企業に影響を及ぼす世界経済、産業動向についての最新情報も纏めて年次で提供していく積りです。

2.会社訪問

企業活動を知る為には、ネットから得られる文字・図表の情報だけでなく、一歩外に踏み出して会社を訪問してリアルに体感することも重要と考えて、8月から隔月で、希望者を募って、神戸近郊の老舗企業、有名企業、また、最近大きく成長している新興会社訪問の試みを始めました。

3.OBネット フォーラム

企業が抱える課題とその解決策を団体会員と会員が一緒に考えるフォーラム、2025年度は11月11日に開催します。

今年度は、会員企業のみならず産業界で広く共通認識されている『「人手不足」社会への対応』をテーマとして取り上げます。

不足している人手とは、「頭脳」+「手足」であり、代替手段は、「頭脳」⇒AI、「手足」⇒各種ロボットであるため、メイン講演は広く普及している「協働ロボット」としました。

序章のプレゼンにAIも含め、「協働ロボット」に至る全体としてストーリーとして展開する積りですので、多くの方に出席して頂きたいと思っております。

4.プレゼン&交流大会

2026年2月頃に開催予定。

団体会員企業から、自社の新たな事業展開の実績(内容、発生した課題と解決策等)と、OBネットが支援した内容をプレゼンして頂き、他の団体会員の今後に活かして頂くことが、開催の趣旨です。
併せて、今年度新たに入会した会員のキャリア、それをOBネットでどう活用していくかを纏めた「マイプレゼン」も発表させて頂きます。

【トピックス】 丹波市【防災フェスタ】のご紹介

9月28日(日)丹波市で【防災フェスタ】 が開催され、警察・消防・自衛隊をはじめ、丹波市内の防災関連企業の出展と共に、OBネットも協力し団体会員企業さんの出展も頂きました。

  • ドローン映像によるVR災害体験 ・土のう積み体験
  • トリアージ ・衛生管理・避難所体験 ・災害時の食事
  • 消防/警察/自衛隊の災害救助の訓練等の実演。

多くの地域住民や近郊の参加もあり、盛大に開催されました。

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