ジェットフォイル船用ストラッド部品の企業コンソーシアムでの受注を支援

「特殊ステンレス専門商社からものづくりも強みとする企業への発展」

アークハリマ(株)は1969年設立以来、ステンレス鋼を中心にアルミ、伸銅品、チタン等の金属材料や腐食環境に強い高機能材料(二相系ステンレスや高合金等)の「販売」と共に付加価値の高い製品として半導体製造装置や各種工場・プラントの装置、タンク、配管などの精度の高い「ものづくり」を行っているが、ものづくりの売上を増やし工場の操業度を高めていくことが課題であった。

そこで川崎重工業にチャンネルのある産業人OBネットの服部晃アドバイザーに相談した所、タイミングよくジェットフォイル(JF)船用ストラッド(水中翼)の部品製作メーカを川崎重工神戸造船が探しているとの話があり、受注推進していくための方策を一緒に検討することになった。
なおJFはボーイング社のライセンスで神戸造船が30年以上前に約20隻製造し、日本近海や香港等で運航されているが、時々クジラなどとの衝突でストラッドが破損してその交換需要や船そのものの耐用年数による置換え需要が期待されるものであった。

「2人のアドバイザー支援と2社の企業コンソーシアム体制でJF用ストラッドの受注、製造を推進」

船舶用とはいえストラッドは航空機の主翼に相当するもので、ストラッド形状の流線形や表面の平滑化要求が厳しく、部品製造の品質及び加工精度を確保する体制を組むことが必要であった。
そこで取りまとめ窓口(営業、品質保証)をアークハリマ(株)とし、板切加工をアークハリマ(株)、曲げ・切削加工を(株)井上鉄工所及び溶接加工会社( 最終的に溶接作業はなくコンソーシアムに参加せず)の姫路地区の企業によるコンソーシアム体制で臨むことにし、神戸造船の調達部門、製造部門と数回にわたる打合せを行い、現地工場での品質監査を受け、最終的に受注に結び付けることができた。
現時点まで2隻分(新造船1隻) を受注済。

また、受注・製造段階ではコンソーシアム企業間の調整支援、現物確認をタイムリーに行う役割を担当した姫路在住で両企業を良く知っている柏木千秋アドバイザーと、主に川崎重工業との交渉・調整役の服部アドバイザーの二人で支援作業を分担し、コンソーシアム企業を支援することにした。

今後の改善の方向について

『日本のものづくりを面白くする』お客様に納得いただける提案をし、納期・コスト・品質にこだわり、日本のものづくり産業に貢献したいと思います。
そのために、今回のような大手重工業様の要求にお応えできる高精度・高難度のものづくりの技術力を修得し、管理体制の強化に取組んでまいります。
引き続き、産業人OBネットの支援をお願い致します。

代表取締役社長
柴田 耕作氏

アドバイザーの取組み方針など

今後の中小企業発展の一つの方法として企業の持っている強みを相互に生かして、部品製造から小組立・中組立製品製造に製品規模を拡大して、大企業・中堅企業からの製品受注を狙っていく良い例になった。
なおコンソーシアムを組む場合、発注側からは窓口を一本化することが要求されるが、今回はアークハリマ(株)が快く引き受けて上手にコンソーシアムをリードして頂いたことが成功に繋がった。また二人のアドバイザー支援で役割分担し、効率よく支援を行うことができた。

 

アドバイザー

  • 服 部晃(川崎重工業株式会社OB)
  • 柏木 千秋(三菱電機株式会社OB)

企業名
アークハリマ 株式会社

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