平成25年度事業報告書
特定非営利活動法人 産業人OBネット
1.総括
平成18年9月設立以来満7年が経過して、平成26年3月末での個人会員は104名(昨年比10名減)、賛助会員は35社・団体(昨年と同じ)となった。
当法人の活動のベースとなる中小企業の支援活動(ニーズ調査、人材マッチング、企業支援等)は ほぼ昨年並みであるが、関西産業活性協議会、ひょうご産業活性化センター、神戸商工会議所等支援機関との連携の機会も多くなり、さらに、兵庫県、神戸市・姫路市関係団体や公的機関から「国際フロンティア産業メッセ2013」ビジネスマッチング支援事業などを受託することができた。
また平成25年度の国の中小企業支援施策の一環としての「中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業(専門家派遣事業)」が開始され、当法人も地域のプラットフォームの構成機関の一つとして認定され、当法人メンバーも多く登録し、活動機会がますます増加してきた。
一方、財政面からは 企業支援活動・プロジェクト活動の増大にともなう交通費等の経費や事務所費も増加してきており、財政基盤の強化対策として個人会員会費の値上げを実施したが、団体会員年会費の支払い方式変更に伴う会費収入減等により 実質的には経営収支は赤字となる見通しとなった。
また、NPO法人の中でも一段と公共性が高く運営実態も優れている法人に対して与えられる「仮認定NPO法人」格を平成25年7月に神戸市より取得し、今後 公的機関からの事業受託や企業・個人から寄付を募るために資するものと期待している。
2.関連機関・団体等との連携の更なる深化
年度当初に掲げた個別方針とその成果は以下のとおりである。
(1)関連機関・団体
ア.(一社)関西産業活性協議会(KIAC)やその構成団体が実施する事業への参画・協力
・近畿経産局のオープンイノベーション推進事業に参画した。また経産省補助金関係の地域事務局業務支援や大学生対象のインターンシップ講座の講師募集等に参画した。
イ.(公財)ひょうご産業活性化センター事業との連携
・「成長期待企業・グローバルの会」との連携による経営革新会をほぼ毎月開催し、当法人会員による講演も行った。
ウ.神戸市あるいは(公財)神戸市産業振興財団の事業への参画・協力
・「アジア進出支援センター事業」において進出希望企業に対する支援活動を行った。
・「大手企業社内での展示商談会技術提案書作成支援業務」を受託し、プレゼン資料作成
等を支援した。
エ.(公社)兵庫工業会、兵庫県経営者協会との相互入会継続と事業への参画・協力
・兵庫県経営者協会紹介の「高校生に対する職業体験講話」に当法人会員が参画した。
・兵庫工業会による「兵庫ものづくり人材マッチング事業」の説明会を当法人の情報
交換会において行い、相互の今後の連携を確認した。
オ.各地商工会議所・商工会等の事業者団体の事業への参画
・神戸商工会議所による「ひょうご企業・OB連携推進事業」のニーズ調査業務を受託し、計60件の調査を実施した。また 当法人独自活動によるニーズ調査も加えると合計80件以上のニーズを発掘した。
・同所「川上川下ビジネスネットワーク事業」にはコーディネーターとして1名の会員が参画した。
・ひょうご科学技術協会と「播磨ものづくり技術者派遣事業」の契約を締結した。
カ.国・近畿経済産業局事業への参画・協力
・新設の「中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業(専門家派遣事業)」に、当法人も地域のプラットフォームの構成機関の一つとして認定されると共に、当法人メンバーも20名以上登録し、支援活動を開始した。
(2)地方自治体
ア.兵庫県平成25年度新規事業「ひょうご「農」・「産」人材マッチング支援事業」で4名のコーディネーターが活動した。さらに 県26年度企業支援型地域創造事業の公募案件である「企業OBによる「農」「産」人材マッチング支援事業」に当法人が応募し、企画提案が採択された。
イ.兵庫県、神戸市、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)等で構成される実行委員会からの「国際フロンティア産業メッセ2013」ビジネスマッチング支援事業を受託した。8名のメッセナビを公募し、出展企業のニーズ調査や来場企業の勧誘訪問及びマッチング活動を行い、当日100件のマッチング報告書を作成し、ビジネスチャンスの拡大に貢献した。
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財政基盤の強化
活動経費を賄うために、協力金の増加を期待するとともに以下の対策により収入の増加を図った。
(1)個人会員、団体会員の増加
ア.個人会員の入会促進
・個人会員の年会費値上げの中で、あらゆる機会を通じて入会の勧誘を行ったが、入会13名、退会24名で昨年度に比べ11名の減少となった。
イ.団体会員の入会促進
・個別企業訪問による入会勧誘の結果、入会4社、退会4社で昨年度と同じとなった。
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会費の見直し
ア.経費の増加に対応し個人会費を値上げし、収入増となった。
イ.団体会員の年会費の支払い方式を従来の入会月から1年分納入から4月からの1年度分
納入に変更したため、H25年度は過渡期調整年度として団体会費収入は大幅に減少した。
(3)契約形態の見直し
ア.公的機関あるいは企業からの受託契約の拡充
前記2(1)項の神戸市産業振興財団との「技術提案書作成支援業務」やカ項の国際フロンティア産業メッセ2013実行委員会との「ビジネスマッチングマッチング支援事業」を受託し、アドバイザーから収められる協力金以外に管理費収入を計上できた。
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運営態勢の強化
前項までに掲げた施策を実行するために必要な態勢を以下のように整備強化した。
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渉外・受託企画部・プロジェクト部の新設
地方自治体や関係機関・団体等との連携や事業の受託を推進するため、渉外・受託企画部
を新設した。また公的機関等との間で進行中の案件や、今後受託する事業について実施する
機能として、第1プロジェクト部と第2プロジェクト部をサポート事業部の下に新設した。
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会員種別の見なおし
これまで、会員種別は、正会員と賛助会員の2種であったが、これらに加えて特定会員を設けた。また個人については 会員とアドバイザーを分離した。これにより 法人運営を主体的に行う個人正会員、賛助のみを目的として会員となる個人または団体賛助会員と企業の支援活動を主体的に行うアドバイザー、当法人から何らかの支援を受けることを期待して入会する団体特定会員に種別し、それぞれが入会目的に適合した種別の会員を選択できるようにした。
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定款の見なおし
特定会員の新設を初めとして、理事会の運営をよりスムースにするための改善や功労者の処遇方法なども織り込んで、定款の見直しを行い、平成25年9月に神戸市の認証を取得した。
(4)アドバイザー向け研修会の開催
アドバイザーの中小企業支援スキルを向上させ、効果的に支援が行われることを目指して、基礎研修会を3回実施した。
(5)個人会員と賛助会員の接触機会の増加
情報交換会、経営革新会を定期的に開催すると共に、毎回終了後には懇親会への参加も呼びかけ会員相互のコミュニケーションと信頼関係の構築を図った。また 当初計画通りフォーラムを2回実施し、いずれも40名以上の参加者を得ることが出来た。
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認定NPO法人格(仮認定)の取得
平成25年2月に認定NPO法人格(仮認定)取得を所轄庁である神戸市に申請し、審査を受け平成25年7月に仮認定NPO法人格を取得した。認定NPO法人格の取得要件の中で、現状ではパブリックサポートテスト(社会的にどれだけ支持されているかを示す指標で、寄付金が一定水準以上あることが必要となる。)についてはクリアできていないので、仮認定となった。今後3年以内に本認定を取得するべく準備する予定である。仮認定でも、企業は寄付金を損金として算入することができ、また個人も税額控除などが可能となった。
5.数値目標の達成状況(平成26年3月31日時点)
(1)年度末会員数:重複あり
正会員 110名(内新入会員20名)、→87名(内新入会員9名)
賛助会員(個人) 20名 →22名(内新入会員5名)
賛助会員(団体) 10社・団体(内新入会員3社)→26社・団体(内新入会員4社)
特定会員 37社(内新入会員9社) → 17社(内新入会員1社)
(2)産業人OB等を対象としたフォーラム:2回 →2回実施
(3)協力金対象案件:60件 →68件
5.事業の実施に関する事項
定款の 事業名 |
事業内容 |
実施日時 |
実施場所 |
従事者の人数 |
受益対象者の範囲及び人数 |
支出額 (千円) |
(1)特定非営利活動に係る事業
中小企業・公益法人に対する経営・運営課題解決支援事業
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ニーズ調査事業 |
随時 |
企業・法人の事務所 |
30人
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支援を希望する企業・団体 83社・団体/年 |
2,432 |
人材マッチング・販路開拓 事業 |
随時 |
企業・法人の事務所 |
延べ 132人
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支援を希望する企業・団体 62社・団体/年 |
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受託事業(産業メッセ) |
6-8月 9月5-6日 |
国際展示場、企業・法人・当法人の事務所 |
13人 |
出展企業、来場企業、資料郵送企業:314社・団体 |
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産業人に関する人材データバンクとネットワークの整備事業
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上欄の2事業をサポートする活動 |
月1回 約月1回 年2回 年1,2回 随時 |
当法人及び各団体・企業・法人事務所、施設 |
約 20人
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企業OB等 18人~54人/回
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・情報交換会 ・経営革新会 ・講演会 ・研修会 ・ホームページ 整備 |
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各種関連団体との連携及びネットワークの構築事業 |
上欄の2事業をサポートする活動 |
随時 |
当法人及び各団体事務所 |
1~4人/回・団体
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12団体/年
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・各種関連団体との連携及び情報交換 |