経営革新会7月定例会の記録

1.日時 平成24年7月26日(木)15時~17時
2.場所 サンパル7階 ひょうご産業活性化センター ビジネスプラザホール
3.プログラム
  (1)講演1:「ものづくり企業の国内での存続・発展の可能性」
-3つの手紙大作戦―
          中小企業診断士、税理士、当法人会員 小川勝夫氏
  (2)講演2:「生産管理の原点-生産現場40年の体験から-」
          経営士、当法人理事・サポート推進部長 佐藤昌次郎氏

4.参加者   産業人0Bネット 賛助会員8名、個人会員22名、
ひょうご産業活性化センター3名   計33名

1.産業人0Bネット理事・事務局長 後藤邦彦氏挨拶
 経営革新会は、今月から当法人の会員2名ずつ各1時間の予定で、講演(ミニスピーチ)をすることとした。 各会員のこれまでの、職歴、経験、体験などを生かした話が聞け、賛助会員の皆さんの参考にしていただきたいと思う。

2.講演1:「ものづくり企業の国内での存続・発展の可能性」
-3つの手紙大作戦-  
小川勝夫氏
(1) 主な講演内容
   ①企業の存続・発展の可能性の要件は、次の3つの力である。
    A.経営者能力 ・計画能力 ・管理能力 ・資金を集める能力
    B.商品力   ・真によい物を見つける能力
            ・コストダウン能力
            ・開発能力
    C.販促力   ・魅力ある商品(顧客のニーズにあった商品)が店や企業にあることを知らせる能力
            ・商品の隠れた魅力を知らせる能力:物語性が大切
             (例)日本の国旗の考え方は?⇒赤と白は女性と男性を表す。
              女性は丸い、それを包み込むようにしているのが男性という物語を作る。
            ・買う気にさせる能力:品質以外の何かを感じさせる能力 
   ② ①の全ての能力を発揮させるために有効なのは、次の3つの手紙作戦である。

  1. サンキューレター(お礼状作戦):強く印象に残るものがよい。
  2. ニュースレター(近況報告と担当者の考えを伝える作戦):繰り返しで成果をあげる。
  3. セールスレター(商品の魅力を伝え買うことのメリットを伝える作戦):メリットをできるだけ多く示す。

   ③3つの手紙作戦の要領

  1. 顧客のほか、従業員や外部の関係者の全ての人に3つの手紙を書く。
  2. 手紙の内容は、本屋に売っている「ビジネス文書の書き方」の類に出てくる文章はダメである。
  3. 強烈に印象に残り、「捨てずにいつまでももっていたい」と思う文章であることが大切。効果を挙げるには多頻度が大切である。

具体的な書き方は、
 ・氏名、役職などを手紙に読み込む。
  ひょうご県知事井戸敏三、西宮市長河野昌弘などの最初の音(おん)を読み込み文章を作る。
 ・お礼、感謝の気持ちを織り込む。◯◯様のお陰で楽しい思い、夢を感じる、爽快な気分になれた等。
 ・繁栄人生賛美のポエムは、57577調の5行ポエムである。
④フロントエンド商品(お試し商品、きっかけ商品)の提供とバックエンド商品
A.スーパーで爪楊枝に刺した食品サンプル(フロントエンド商品)は、試食
により店の食品(バックエンド商品)を買ってもらうことが目的。
     B.機械メーカーや住宅メーカーのフロントエンド商品は説明の「小冊子」である。この小冊子により機械や住宅を売り込む。従って小冊子の中味が問題になる。
   ⑤パソナ法則
      手紙、チラシ、案内状などの構成を次の順番(パソナの法則)でやると効果が出やすい。
      (ⅰ) P =Problem:問題を指摘する
      (ⅱ) A =Agitation:不安や不快感をあおる
(ⅲ) So=Solution:問題解決策を提示する
(ⅳ) N =Narrow Down:絞込みや緊急性を出す
(ⅴ) A =Action:今すく実行をと呼びかける
   ⑥まとめ

  1. 3つの手紙作戦を実施し、継続すること。
  2. 2段階営業法を実施すること。フロントエンド商品(お試し商品、きっかけ商品の提供)とバックエンド商品を組み合わせる。
  3. 上記A、Bの2つの作戦を深く考えて実施すること。

表に出ている事項のみを考えるのでなく、「その奥深くにある考え方」まで考えて、経営せよという意味である。

(2) 感想、質疑応答
   会場の参加者5名との間で質疑があった。(内容は省略)

3.講演2:「生産管理の原点-生産現場40年の体験から-」
           佐藤昌次郎氏

(1) 主な講演内容
   ①生産管理概論

  1. 生産管理とは(1)

・ものづくりで儲けるための仕組みづくりと実践活動
・資金の効率を高める手法
  B.生産管理とは(2)
  ・経営資源(人、材料、設備、金、情報、技術)を駆使し、所定の品質(Q)、原価(C)、数量、納期(D)で、効率よく経済的に生産して提供する活動
  ・ムダ、ムラ、ムリがない。
  ・生産性(1人当たりの出来高、設備の稼働率、作業能率、歩留まり率)を把握して改善を続ける。
  ・生産管理手法による効率化改善はサービス業でも効果を出し始めている。
  C.生産管理の対象範囲
       (ⅰ)従来の対象範囲
         製品設計、生産計画、資材調達、製造、出荷である。
       (ⅱ)新製品を市場に出す場合の例では、従来の(ⅰ)に加え、前工程の
        市場調査、事業戦略の立案、商品の企画立案、製品計画、販売予測、
投資計画・売上利益計画、販売計画が生産管理の範囲に入る。      
  D.生産管理の基本要素
        ・5M:Man(人)、Machine(機械・設備)、Material(資材)
Method(方法)、Money(資金)
        ・情報:情報システム、情報活用能力、データベース
        ・時間:標準時間、作業時間、製作時間
  E.管理とは
        ・基準や計画値から外れないように全体を統制すること
        ・計画値と実績値の比較から問題点を把握し改善活動が実行されること
        ・改善活動とは、P(Plan)、D(Do)、C(Check)、A(Act)の4つのサイクルによるスパイラルアップを目指すこと
  F.生産管理のベースは生産計画
  受注生産における生産計画は、受注情報から、手順計画、工数計画、
  負荷計画、日程計画など細かく分かれて作成される。

② 生産計画と生産管理の改善事例

     A.事例1:機械装置の組立工場
      ・工場概要:作業員8名、製品の大きさ20-300kg、
月間生産数量1200-1500台
・目標:生産性向上20%の目標、多能工化、セル生産の効率アップ
 ・問題点:組み立て指示が前日か当日の朝。月末は工事が輻輳し応援人員が必要。毎月の生産計画が不明。組み立て前のものそろえ率が悪い。
 ・改善前のデータ:生産実績は月の初め少なく、人員は遊んでいる。月末
は納期が間に合わず応援人員を投入する。
・改善後:月の初めの余った人員を他職場への応援に出した。営業は
月始めにもできるだけ注文をとる努力をした。生産計画を
標準化し、仕事の中断を防いだ。ものそろえも改善された。
  B.事例2:機械加工工場
      ・工場概要:作業員34名、NC機械30台、汎用機械30台
・目標:NC機械の稼働率向上、台数使用率向上、多能工化
・課題:稼働率向上、台数使用率向上のために機械の負荷管理と稼動計画が必要
・改善後:機械工場の生産計画と管理データ及び負荷管理のデータを基に改善策を提案。仕事の山崩し、平準化を実施した。
また多能工化は10名の作業員がNC機械を使えないことが判明したので、技術習得を図り、2年間で使えない作業員と汎用機械を半減した。
C.負荷計画と管理のポイント
ジョブショップ型工場では負荷は消化能力の10-15%増しで積むのが
ベター。なぜなら努力目標を与えることになるからである。
D.納期管理
納期遅れの原因は材料・部品の調達遅れ、作業ミスによる作り変え・
やり直し、作業計画が不適切、工事輻輳、短納期受注が考えられるので真の原因を早く把握して手を打つことが大切である。

③ まとめ:生産現場改革への取り組みのポイント
 A.トップの思いこそ改革のエネルギー(改革後のイメージをトップが全員に語る)
 B.現状の問題点の把握(定点観測でムダ、ムラ、ムリの宝探し)
 C.関係者の意識改革(意識が変われば行動が変わる)
D.全員参加型の改善活動(トップダウンとボトムアップの融合)
E.マルチスキル化の推進(人材の有効活用と活性化)
F.現場の改革は、3Q6Sから始めるべし。
(日本電産永守社長の方針)
  3Q:Quality worker(良い社員)
Quality company(良い会社)
Quality products(良い製品)
  6S:整理、整頓、清潔、清掃、しつけ、作法

(2) 感想、質疑応答
   会場の参加者4名との間で質疑があった。(内容は省略)

以 上
                    (久留島 正)